縮尺１／７２の軍用機中心・飛行機プラモのページ

■リハビリを兼ねた製作過程の紹介■

　この６〜７年、仕事中心の毎日が続き、体を動かす系の趣味である「自転車」のみで、
プラモからは遠ざかっていた。おかげで体は調子が良く、動けるのだが、気になるのは
視力の低下だ。老眼が進んで近くの物が良く見えない・・・。不安にかられたのと、偶
然のきっかけから、急に作りたくなった。さて、何を作るか・・・？
前回６〜７年に作ったのは複葉機だった。が、老眼にとってはちょっと敷居が高い。リ
ハビリで作るならやはり二次大戦機が良い。

（Fokker D-XXI その２）
　デンマーク空軍の機体は上面１．「タン」と２．「オリーブグリーン」の二色迷彩で
あると手持ちの資料の一つに表現されていた。しかし色調は良く分からない。ＦＳ番号
が書いてある資料もあるが、それが正しいとすると両者の明度差は少なく実機の白黒写
真と合わない。作るきっかけとなった古いカラー図面とキットの箱絵の色調を信じ、こ
れを基本とする事にした。となると「オリーブグリーン」されている色は名前より緑味
の強い色のようだ。問題は「タン」で、カラー図面とキットの箱絵の色調から見ると、
サンドイエローと言ってよい色調だが、北欧のイメージは「森」「湖」「城」で、砂漠
とは縁遠い。よって、少し彩度を上げわずかに緑を加え、新緑や草原の色に近い黄色味
の強い色を創作して塗装する事にした。

　グンゼ油性塗料で「タン」を吹き、二色迷彩の塗り分けラインはくっきりしているの
で「オリーブグリーン」の方はハンブロー筆塗りとした。下面は近くの国々と同じくラ
イトブルーとし、グンゼ油性塗料で吹き付け塗装した。



　グンゼ油性塗料とハンブローのツヤの差が激しいので上からクリアーを吹く必要があ
るが、その前にデカール貼りと水平尾翼、足等の組み立てもやらなくてはならない。



　国籍マークは赤白のラウンデルで、スピット用のものを流用した。尾翼の国籍マーク
はおまけ。本当は無いのが正しいが、機番も一切無く寂しいのと、スピット用のデカー
ルに付いていて、もったいないので貼ってしまった。



　デカールは木工ボンドと水とマークソフターを混ぜ、これにほんの少々リターダーを
加えたものを使っている。貼る位置にこれを塗り、デカールを乗せ位置を整えながら綿
棒で余分な液を中心から周囲へ抑えながら転がすようにして追い出し、拭き取る。

 次に水平尾翼及びその支柱、足を取り付けクリアーを吹いた。



　統一感のあるツヤが出たところで、小物部品を取り付けていく。まず右翼外側の前照
灯のマスキングを剥がし透明部分を露出させる。２０ミリ機関砲は出所不明のパーツを
使用。似ていないが我慢した。エンジン、プロペラ、主輪、尾輪、ピトー管を取り付け
るとほぼ完成状態。ついでにエッチングパーツで操縦席前に照星、照門を追加した。



　いよいよ仕上げ。あとは汚し塗装。最近置いている店が少なく困ったものだが流し込
みの汚しはハンブロー以外は使えない。ツヤ消し黒ならタミヤのエナメルでも可能だが
気をつけないと雲状の不要な汚れが出やすい。褐色系となるとタミヤではうまく流れて
くれない。

　汚し塗装を施し、完成。最初に目にしたカラーの資料を入手したのが２０代前半だか
ら、「作りたい」と思ってから３０年越しの完成と言う訳だ。７年近くのブランク開け
としてはまあまあだが、特に塗装の勘が戻るにはあといくつか作らなければダメのよう
だ。デカールの接着剤の配合もまずかった。

制作記　その１